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はじめに

電子回路シミュレータとしておなじみの「LTspice」ですが, 周波数特性をExcelで表示したい といった際に少し面倒な処理が必要です. この記事では, Excelへのファイル出力と周波数特性図の作成について記載していきます.

手順

LTspiceで波形データ出力

今回は例としてこのCRローパスフィルタ回路のシミュレート結果を利用します.

LTspiceのExcel出力

まず, 特性図側のウインドウ(上側)を選択状態にします.


LTspiceのExcel出力

続いて[File]-[Export]を選択します.


LTspiceのExcel出力
  • File名を .txt 形式にする(場所は任意)
  • "Format" を [ Cartesian: re, im ] にする

可能ならばdB表示のまま出力したいのですが, 出力されるファイルに単位が記入されているため, Excelでの処理が面倒ということでこの方法をとっています.

出力されるファイルの中身(参考)

LTspiceのExcel出力

出力されるファイルなのですが, 1-2行間はタブ区切り, 2-3行間はカンマ区切りになっています. この理由から.csv形式での読み込みができません.


Excelでの操作

続いて, Excelでの操作になります. Excel2013を利用しています.

LTspiceのExcel出力

ファイルを開く際, 「テキストファイル」に指定し, 前段階で作成したファイルを選択します.


LTspiceのExcel出力

テキストファイル ウィザードが表示されるので, 画像の通り設定してください. (いじる所はないと思います)


LTspiceのExcel出力

区切り文字には「タブ」と「カンマ」の両方にチェックを入れます.


LTspiceのExcel出力

すると, [周波数軸](A)[実数軸](B)[虚数軸](C)の3行に分けられました. 1列目は不要なので削除します.


次に, 関数式で直座変換・dB変換を行います. 実数軸を"Re", 虚数軸を"Im"とおくと, ゲイン"Gain"は以下の式の通りとなります.

ゲイン変換

B行に実数軸, C行に虚数軸のデータがあるので, 1列-D行目に
=20*LOG(SQRT(B1^2+C1^2))
と入力します.

LTspiceのExcel出力

LTspiceのExcel出力

続いて, A行とD行を選択します.


LTspiceのExcel出力

図形作成において 散布図(平滑線) を選択します.


この後, 各軸の書式設定に移ります.

LTspiceのExcel出力

以下, お好みに任せますが私の作った例を紹介しておきます.

縦軸

LTspiceのExcel出力

横軸

LTspiceのExcel出力

※表示形式のユーザ設定では単位をk(キロ)に変換する記述を入れています.

これで完成したグラフがこちらです.

LTspiceのExcel出力

おまけ(位相特性図の作成)

LTspiceのExcel出力

周波数の振幅特性図の作成同様, 位相特性図も簡単に作成することができます.

こちらも同様に実数軸を"Re", 虚数軸を"Im"とおくと, 位相"Phase"は

位相変換

ですので, Excelでは
=DEGREES((ATAN(C1/B1)))
とすればOKです.

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